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「お茶の文化とともに歩む茶屋の軌跡」
「お茶は嗜好品になった。
“玉露軒のお茶”を
楽しんでもらいたい」
川口 大輔 /(株)玉露軒
原点である場所は変化させず
業態を変化させてきた
150年ほどの歴史がある茶屋を営んでいます。建物は建て替えていますが、本店の場所はずっと同じ。創業時には近くに市場や料理屋、芝居小屋が並んでいたそうです。三重や静岡から茶葉を大量に買い付けて長野で売る大卸をしたり、8台の茶臼をフル稼働させていたりという時代もありましたが、現在は小売へと業態をシフトさせてきました。
現在、本店を含めて4店舗を展開している玉露軒。ショッピングセンターのテナント出店をはじめてから随分と経ちましたが、最初に出店したときはショッピングセンターがどんなものかも分からない時代でした。しかし、茶葉の消費量が減っていく中でもこうして商売を継続できているので、今でも大英断だったと思います。
味わってほしいのは、
“玉露軒のお茶”を飲む楽しみ
“日常茶飯事”という言葉があるほど、お茶は暮らしに密接したものでした。しかし現在は、水やコーヒー、紅茶など、それぞれの好きな飲み物を口にできる時代。お茶のポジションは、日常品から嗜好品へと変化してきました。玉露軒として、創業時からずっと変わらないのは、“こだわりのお茶”をお届けしたいという想いです。
現在でもお茶の産地を訪ね、茶葉を見ながら、生産者と直接交渉をしています。三重や静岡に近いという立地を活かしながら、ときには京都や鹿児島まで足を運ぶこともあります。目指しているのは、種類や産地ではなく、“玉露軒のお茶”を楽しんでもらうこと。そして、誇りに思ってもらうことです。そんな想いで、唯一無二のブレンドを追求しています。
これからも清須に住む人に
喜ばれる茶屋でありたい
日本人にとって一番の飲み物は、お茶だと考えています。だからこれからも、清須に住む人をはじめ、たくさんの人に飲んでもらえるように努力したいです。定番商品の「朝露」などを大切にしつつも、暮らし方にあわせて粉末やティーバッグ商品を開発してきたように、リフレッシュしたいときや寝る前など、TPOから発想した商品開発にもチャレンジします。
また、お茶にふれる機会を増やしていきたいです。若い方にもカジュアルに来店してもらえるように、抹茶やほうじ茶のソフトクリームなどのスイーツにも力を入れています。さらに、たくさんの人にお茶の魅力を知ってもらうために、観光スポットにも販路を広げられるような商品をつくりたいです。そうすることで、一人でも多くのお客さまに喜んでもらいたいですね。
商品紹介
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甘みと香りにこだわった「こざくら」(写真左)
売り上げナンバーワンの定番商品「朝露」(写真中央)
焙煎で強い香りを引き出した「香り命」(写真右)
会社紹介
創業150年を超える、清須市の老舗茶屋。“こだわりのお茶”を届けるために、三重や静岡をはじめ、全国の生産者から買い付けた茶葉をブレンドしている。家庭で楽しめる茶葉を中心に、近年ではソフトクリームをはじめとしたスイーツや、お土産向けの商品開発にも力を入れている。
株式会社玉露軒
愛知県清須市西枇杷島町西六軒96
TEL:052-501-4092