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「型にハマらない金型メーカーの躍進」

「本業は医者だった。
“⾦型ってスゴい”と、
今でも素直に思う」

迫田 邦裕 /(株)エムエス製作所

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敷かれたレールは歩きたくなくて、
医者をめざした

私は清須にある金型メーカーの家系に生まれました。しかし、子どもの頃の私は“親に敷かれたレール”を歩きたくなくて、家業を継ぐ意志はありませんでした。そこでめざした職業が“医者”です。ぐうの音も出ないような道へいったら、親も諦めるだろうと思いまして。そんな訳で、社会人としてのデビューは医者からはじまりました。転機は、子どもができたこと。父と子の関係というものを身をもって知ったことで、このまま反発心をどこかに残したままでは、きっとこの先後悔すると思ったんです。

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そして、どうせなら自分が思ったことは全部やりきりたくて、医者を続けながら実家を継ぐ決意を決めました。今は月・火は大分の病院、水・木・金は金型をつくる会社で働く日々を送っています。人様からみれば中途半端な立ち位置にいる者にもみえるので、順風満帆と言える道のりではありませんでした。しかし、運と縁には恵まれてきたなと感じています。

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新たな挑戦からわかったものは、
“ものづくりの使命”

“金型の技術はもっと社会に注目されていいはずだ”。それが、新たな事業に挑戦している、原点の想いです。今でも思い出深い開発第一号は、鉄でできた名刺立てでした。会社の財産としてつくる技術はありましたから、細やかな作り込みは大した物。ですが、おそらくニーズがない。そんなとき、兄弟会社との合流で、ゴルフの仕事が入ってきました。そこではじめたのがアイアンヘッド“MUQU(ムク)”の開発です。

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企業展に試作品を持っていったところ、予想外にテレビや新聞など反響が集まって、ビジネスとしてやっていくことに決めました。ただ、今となっては“金型ってスゴイだろ”という側面が強すぎて、ものづくりとしては失敗だったと感じています。ものづくりは“社会や人の求めていることを考えて、技術で何を提案するか”ということが大切。新規事業をはじめてわかったのは、そんなものづくりが果たすべき社会的な役割や使命でした。

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“清須のものづくりといえば”
というブランドになりたい

開発中のものも含めて、フィールドはどんどん異分野に広がっています。しかし、狙いは明確です。“社会や人のニーズはどこにあるのか”。例えば“TACH WRAP(タッチラップ)”は、コロナ禍の医療現場に向けたものです。患者の膨大なデータを管理するパソコンのキーボードに、ラップをかけることで“いつもふれられる”を叶える商品をつくりました。

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そして、一番の自信作がキャンプ専用クサビの“先鋒(せんぽう)”です。この商品は、実は“清須名物をつくりたい”という想いから生まれました。例えば、ゴルフクラブからは清須を連想しづらいと思います。そこで開発したのが、キャンプブームでニーズがあった“クサビ”でした。クサビは清洲城が建てられたときにも使われたものでしょうし、伝統的なものを大切にする清須市のイメージにも合うと思ったんです。“先鋒”という商品名も、清須といえば織田信長ということで、“戦”から発想しています。“清須のものづくりといえば”というブランドを目指して、これからも挑戦していきます。

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商品紹介

  • MUQU(ムク)

    MUQU

    鉄の塊からアイアンヘッドを削り出した
    新発想のゴルフクラブ。

  • TACH WRAP(タッチラップ)

    TACH WRAP

    ラップフィルムでキーボードを清潔に扱う
    医療現場用のプロダクト。

  • 先鋒(せんぽう)

    先鋒

    ペグダウンハンマーを使って
    安全に薪割りを楽しめるキャンプ専用のクサビ。

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会社紹介

株式会社エムエス製作所

⾃動⾞のウェザーストリップをはじめとした⾦型成形・ゴム成形を⾏う、清須市の老舗メーカー。近年は“オープンファクトリー”を掲げ、“あぶない”“みせてはいけない”といった、ものづくりの現場のイメージを変える取り組みとして、団体での⼯場⾒学なども⾏っている。(⼯場⾒学は事前連絡が必要)

線

株式会社エムエス製作所
愛知県清須市春日立作54-2
TEL:052-409-5333

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